【ハルシネーションひどくてボツ】プロンプトと温度を調整して再検証【海外起業録】上海での5年間から学んだビジネス哲学 〜アマゾン輸出からコンテンツビジネスまで、中国市場開拓の軌跡〜

はじめに – 上海進出のきっかけ

2010年、私は31歳でキャリアの転換点を迎えていました。大手上場企業で新規事業開発に携わっていた私に、突如として上海万博への出店プロジェクトの話が舞い込んできました。当時の中国は、2008年の北京オリンピックの成功を経て、さらなる経済成長への期待が高まっていた時期でした。

私自身、20代の頃からビジネスや観光で世界各国を訪れており、特にアメリカでのMBAプログラム参加、ヨーロッパでのインターンシップ経験など、グローバルな視点は持っていたつもりでした。しかし、中国は私にとって未知の領域。その未知なる市場に挑戦できることに、大きな魅力を感じていました。

特に印象的だったのは、当時の上海の街並みの変貌ぶりです。高層ビルが林立し、地下鉄網が急速に整備され、街にはベンツやBMWが走り回る。そんな活気に満ちた経済発展の真っただ中で、新たなビジネスチャンスを掴めると確信したのです。

第1章:上海万博からの船出

上海万博での出店は、私たちにとって最初の大きな挑戦でした。日本館に隣接する商業エリアで、日本の伝統工芸品や最新家電製品を販売する計画を立てました。予想来場者数を基に、年間で10億円規模の売上を見込んでいました。

しかし現実は厳しく、実際の売上は予想の10分の1にも届きませんでした。主な失敗要因として以下が挙げられます:

  • 中国人観光客の購買行動の誤認識(高額商品よりも実用的な商品を好む)
  • 価格設定の甘さ(為替や関税を考慮せず、日本価格での販売を試みた)
  • 商品展示方法の不適切さ(中国の商習慣に合わない陳列方法)
  • スタッフ教育の不足(接客の質が安定しなかった)

プライベートカンパニーの設立

万博での失敗後、当時の社長から意外な提案を受けました。「失敗を活かして、もう一度中国市場に挑戦してみないか」という話です。ただし、上場企業の子会社として事業を展開すると様々な制約があるため、プライベートカンパニーとして新会社を設立することになりました。

会社設立にあたっては、以下の点に特に注意を払いました:

  • 現地法人の形態選択(独資か合弁か)
  • 資本金の設定(最低限の額で開始)
  • 事業ライセンスの取得(範囲を広めに設定)
  • オフィス選定(コストと利便性のバランス)

第2章:富裕層向けビジネスの挑戦

新会社設立後、最初に取り組んだのが富裕層向けアート販売事業でした。当時の中国では、急速な経済成長により新富裕層が増加しており、高額商品への需要が高まっていると考えたためです。

銀座の老舗画廊と提携し、ルノアールの作品を中心とした展示販売会を企画。上海の高級ホテルで開催し、現地の富裕層やアートコレクターを招待しました。展示会の設営費用だけで400-500万円を投じ、以下のような施策を実施しました:

  • VIP向けのプライベートレセプション開催
  • 著名な美術評論家による作品解説会
  • 現地メディアへのPR活動
  • 富裕層向けダイレクトメール配布

しかし結果は散々で、1点も売れませんでした。後の分析で分かったことは:

  • 中国の富裕層は投資価値のある中国美術品を好む傾向がある
  • 西洋美術品の価値を理解する層がまだ限定的
  • 展示会形式での販売は信頼性に欠ける
  • 価格帯が現地の受容範囲を超えていた

第3章:アマゾンビジネスの成功

富裕層向けビジネスの失敗後、ある知人との出会いが転機となりました。その知人は既に中国製品の日本向けAmazon販売で成功を収めており、そのノウハウを共有してくれました。

ビジネスモデルの確立

アマゾン事業は以下のような流れで展開しました:

  1. 深センなどの工場から直接仕入れ(価格交渉力の確保)
  2. 品質管理の徹底(返品率の低減)
  3. Amazon FBAの活用(物流効率化)
  4. 適切な価格設定(競合分析に基づく)
  5. レビュー管理の徹底(評価向上策の実施)

特にiPhoneケースなどのエレクトロニクス製品が好調で、以下のような成果を上げました:

  • 月間売上:800-1,000万円
  • 粗利率:35-40%
  • FBA手数料:8%程度
  • 為替差益:10-15%

第4章:アベノミクスによる転換点

2012年末から始まったアベノミクスは、私たちのビジネスモデルに大きな影響を与えました。急激な円安により、以下のような問題が発生:

  • 仕入れコストの上昇(約50%増)
  • 利益率の大幅低下
  • 価格競争力の低下
  • 在庫リスクの増大

第5章:コンテンツビジネスへの転換

アマゾン事業での利益を元手に、デジタルコンテンツビジネスへの転換を図りました。具体的には:

  • 日本のソーシャルゲームの中国展開
  • WeChat公式アカウントでのコンテンツ配信
  • 教育コンテンツの開発と販売

第6章:上海生活のエピソード

ビジネス以外の面でも、上海での生活は多くの学びをもたらしました。日本人コミュニティでのバンド活動や、現地の食文化との出会いなど、充実した日々を過ごすことができました。

第7章:上海ビジネスから学んだこと

5年間の上海での経験から、以下のような教訓を得ました:

  • 市場環境の変化への迅速な対応の重要性
  • 現地文化・習慣の理解の必要性
  • リスク分散の重要性
  • 人的ネットワークの価値

終わりに – 次なる挑戦へ

上海での経験は、その後のアジアでのビジネス展開に大きな影響を与えました。失敗と成功の両方を経験したからこそ、次の挑戦への自信となっています。

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