教習所という境界

軽トラが必要になったという現実

農業をやるにあたって、軽トラが必要になりました。

僕は今、バリバリのSUVに乗ってるんですが、これが全然使い物にならないんですよね。草刈り機を積むにしても、毎回分解しなきゃいけない。2メートルくらいまでなら斜めにして頑張れるんですけど、棒のまま積もうと思ったら、もう軽トラしかないわけです。

それに、耕運機や管理機などの農業機械は、常用車では物理的に絶対無理なんですよね。軽バンで後部座席を取っちゃうスタイルなら、小型に毛が生えたくらいの耕運機までは乗ると思うんですが、僕のSUVは後部座席がガチガチに癒着してるタイプで、外すなんて大工事になっちゃう。

そういうわけで、軽トラか軽バンが必要だということです。

軽トラか軽バンか

軽トラと軽バンの大きな違いは、荷物の置き場が室外か室内かですよね。

農業で汚れたものや、鶏糞みたいにちょっと匂いの強めのものを積むこともある。僕は有機志向でやりたいので、米ぬかなんかも積むんですが、これがめちゃくちゃ粉っぽくて、粉が舞い散る上に栄養豊富だから、様々な動物が大好物なんですよ(笑)。

それを軽バンの室内に持ち込むのって、虫が出たりして非常によくないんです。

軽バンの唯一のアドバンテージは寝床にできるところなんですけど、軽トラでも後ろをタープで上手に仕切れば、季節によっては寝床にできると思いますしね。

限定解除への道のり

僕は既にオートマ限定の普通免許を持ってるので、限定解除という手続きになります。

やり方を調べたら、思ったより手堅く短期間でできるということがわかりました。4コマ通えば行ける(落第しなければ)。実時間で約4時間、手続きや待ち時間、移動時間を入れても約10時間でできると。

お金の方は約6万円かかります。ちょっと手痛い出費なんですが、オートマの軽トラも存在するものの、流通している台数は明らかにマニュアル車の方が多いんですよね。したがって、マニュアル車の方が市場価格が安い。

この6万円の投資も、マニュアル車に乗れるようになれば一撃で回収できるという算段でやってます。

25年ぶりの教習所で受けた衝撃

今回の雑談の中心は、教習所に行ってみたら衝撃的でした、という話なんです。

僕が以前、普通免許を取ったのは22歳の時。大学を中退して、学生という身分がなくなって、就職するにも第一種普通免許くらいは必要だろうということで、合宿免許で一気に取りました。

当時は自分も若かったし、20歳そこそこなんて子供みたいなもんですから、あまり何も感じなかったんですが、今回は違いましたね。

適性検査という名の洗礼

僕は限定解除組なので学科の座学は一切受ける必要がないんですが、適性検査というやつを受けなきゃいけないらしいんです。25年前はそういうのなかったか、形式が全然違ったのかもしれません。

「あなたはちょっと血の気が多いから運転は気をつけてくださいね」とか「あなたの注意力はこれくらいの能力なのであまりスピード出さないでくださいね」とか、そういう診断結果が出るやつです。

ちなみに適性がないからあなたには免許は交付しません、という結果にはならないやつとのこと(笑)。僕のやつはおおむね中の上みたいな結果で、僕は何をやっても中の上ぐらいになるので、相変わらず中の上だなと。情緒不安定とか書いてあったけど、そんなん絶対ありえないと思いますけどね。

最底辺に合わせるということ

その検査を受ける時の教習所の教員さんの生徒の扱いに、僕は衝撃を受けました。

当然18の子もいるし、僕が47で参加してるのがイレギュラーなわけですが、周りを見渡すとそこそこ年齢はばらけてました。20歳前後が半分くらい、30代っぽい人、20代後半くらいの人、僕よりも年上という方も2人くらいいました。

めちゃくちゃ子供扱いしてくるんですよね、教員が

マークシートを塗りつぶした後の訂正はこうですみたいなのを毎回毎回言ってくるとか、この問題はこう、読み方はこうですみたいなことを、すごく子供でもわかるようにという意識をバリバリ示しながら説明してくるんですよ。

なるほどなって思いました。

属性が完全にばらけているので、僕なんかが大学で感じるような「君たちは一応この大学に入った18歳以上の子供から大人に展開しようとしている人たちですよね」という前提で話しかけられるのと、「学習レベル全く未知数なので最底辺に合わせて喋ります」という態度で話されるのが、こんなに違和感があるのかと衝撃を受けました。

境界知性という現実

最近よく言われる境界知性。障害には認定されないけれども、ギリギリなんですっていう人たちが、割と少なくない数いるよねという話。

僕は「この人は境界知性だな」と思ったことはないですし、「ケーキの切れない子供たち」みたいなことも体感としては全然実感したことがないんです。へえ、そうなんだと思って生きていますけれども。

そこまで包含しようとしているという態度については、よく頑張っているというか、よく設計しているなと思う反面で、境界知性の方向けにも分かるようにという設計だと仮定すると、ここまでレベル落とさないといけないんだ、なるほど、怖い、すごい、と思いましたね。

怖いっていうのは、自分がそうであった場合、すげえしんどいだろうなと思ったからです。

マス層向けレベル調整の大変さ

僕は普段、いわゆるITのオフィスワークの世界にいるので、「そういうことも、このレベルの話は分かりますよね」っていう態度で僕も他人に接しているし、相手もそのような態度で来るという世界観で生きてます。

その中でもレベル調整はめちゃくちゃしてますけどね。経営系の人員であれば、僕は一切言葉に遠慮せずにしゃべりますけど、社内全体にブロードキャストするような話に関しては、単語の選択とか、わざわざ2回同じことについて言い方を変えて言ったりとか、普通に常々してますから。

そういうレベル調整は僕の今生きているメインの世界でもしておりますけれども、マス層に向けたレベル調整、すごい大変ってなりました。

ある種面白い体験でしたね。

そして軽トラへ

来週には僕は残り3コマの実技実習を終える予定です。もう1コマ受けてきたんですが、久しぶりにマニュアル運転して、エンストせずに、まあ一応できました。ポイントとしていくつか指摘された部分はあるんですけど、あと3時間乗れば大丈夫かなと。

運転免許試験特有の減点ポイントみたいなのって、やっぱりあって、実際の運転とはちょっと乖離してる部分があるので、そこはちょっと重点的に、あと3コマで教えてもらおうかなと思ってます。

最速で来週には限定解除できて、次回伊東に行った時には、お世話になってる本田屋さんに「限定解除できたんで、軽トラいいやつないですかー」と、「もう何時でも買えます」って言って、ついでに「車庫証明取りたいんで、車庫貸してください」って言おうかなと思っている次第でございます。

※この記事はポッドキャスト音声データを元にClaudeが書き起こし、編集したものです。

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