どうも。インターネット関連業界歴20年です。はにまです。
これは実は僕が行った数少ない新人研修や、中学生の修学旅行受け入れなどでも話した内容で、結構真理だと思っている内容なのですが、直近でたまたま広告ビジネス一本の企業のお手伝いで課金系サービスを作った時に改めて感じたので記事に書き留めておきます。
インターネット関連事業をざっくりカテゴライズ
まずはじめに前提共有のため、インターネット関連事業の僕なりのカテゴライズを提示しておきます。
- ユーザーサービス=toC系
- EC
- 広告
- 課金
- toBサービス=toB系
- 決済
- インフラ
- インテグレーション
- その他コンサル/BPOなど
めちゃくちゃざっくりシンプルに言うとこんな感じに捉えています。
近年は決済部分がtoCに食い込んできていたり、IaaSみたいな概念を広く捉えるとどうやら何か他の捉え方もあったりとかで、垣根が溶け合ったり変動している部分はあります。
ただ、決済はあくまでモノ/コトを販売するtoC主体とCを結びつけるtoBサービスだし、まあインフラがサービス化するとき、そのインフラの上で行われる商行為をデジタル化、簡素化するソリューションと捉えれば、たとえ個人が使えるようになってもその個人はスモールB、と捉えたら基本的には上記カテゴライズのままの世界かなとも思います。
んで、僕は成功者ではないため、どれも中途半端ではあるのですが、いずれもプロとして報酬を得て、どうにか暮らせる程度には稼いできています。
上記カテゴリの中で自分が責任者としてやってきたことがあるビジネスモデルを上げると
- EC
- 広告
- 課金
- インテグレーション
ですかね。インテグレーションにはコンサルもちょっと含まれますけど、まあコンサルフィーをとったことは(ほぼ)ないので、こんなものでしょう。
これ結構レアだと思っています。
なぜかというのは後述しますが、とにかく両立とか頭の切り替えが、、、難しいとは思わないんですが、、、切り替えが必要なんですよね。
なぜ切り替えが必要か
ではなぜ切り替えが必要か、一言で言ってしまえば、それぞれにKPIとその桁が異なるからです。
各カテゴリのKPIをちょっと要約しつつ書き出してみます。
- EC
- 来店数
- 購入率
- 客単価
- お店の運営ですね。リアル店舗とも一緒。
- 広告
- DAU・MAU等のUU数
- UUあたりPV数
- 全体PV数
- RPM(CPM)
- 純広告などの営業成果(ブラックボックスになりがち)
- 商品=PV、RPM=客単価、純広告=ブラックボックスになりがち(再)
- 課金
- DAU・MAU等のUU数
- CVR/CVV
- CPA
- LTVと集客コスト
- インテグレーション
- なんかめんどくなってきたのでhttps://ferret-plus.comこの辺見たら良いと思う。複数のお友達が絡んでいたBtoBマーケ系のサービス。オウンドメディアもちゃんとしてて普通に勉強になります。
最後息切れしましたが。こんな感じです。
え??違いがわからない??
そう思ったあなた、正解です。そして余計な業界用語をたくさん書きましたが、本質的に基礎学習がしっかりしていますね。
本当はリアルビジネスとおんなじで、お客さんに来てもらって、サービスを受けてもらって、お金をもらいましょう。
- つまり
- お客さんにたくさん来てもらう。
- お客さんにサービスを受けてもらう。
- お客さんからたくさんお金をもらう。
- しかないんですよね。商売なので同じです。
ではなぜ切り替えが難しいのかというと、桁がそれぞれに違うからです。
ある広告事業系会社での会話
社長 新規事業として当社サービスのUU数を活かし課金サービスに参入しようと思う。
部長 いいですね。成功すれば高利益率が見込める領域ですし、企画メンバーも前のめりに頑張ってくれるでしょう。
社員 がんばります。
・・・・・・それから半年後
社員 当月売上は100万円です。5,000UU・CVR2%・CVV100・客単価1万円となりました。
社長 何だその数字は。当社主力広告系サービスのUUは1000万だぞ、なぜ5,000UUなのだ。売上進捗も悪すぎる。どう考えているのだ部長。
部長 はい、広告系サービスのUUはたしかに強固ですが、そこから今回の新サービスへの誘導に関しては既存収益とのバランスを取る必要があり、これでも限界まで誘導しています。社員くん、補足資料をよろしく。
社員 はい、当月の誘導のために既存サービスからの特設枠を活用しており、1,000万PVの在庫を活用しての5,000UUですので、CTRとしては0.5%、クリエイティブの工夫により1%程度までの増強は可能な範囲ですが、本件サービスは高単価のため、CVRは限界値または限界以上に取れていると考えられます。
そのため、本サービスを新しい柱にしていくためには、自社広以外にも集客の手立てが必要だと思われ、現在検討中です。社長 200万稼ぐためにそこまでやってられるか!!撤退だ!!
引用元ありません。引用のUIを使っただけ。
と、まあこういうふうになりがちなのです。
なまじ成功事例と数字が叩き込まれていますし、毎日それに向かって必死なので、桁が違う別のビジネスモデルのKPIを聞いた時に受け入れにくいんだと思っています。(あくまで一個人の経験・観測からの所感です。
では、無理なのか
では、両立は無理なのか。というともちろんそんなことは無いと思っています。・
近年は複数の例が挙げられる程度には課金と広告の両建てビジネスは成立してきています。AbemaとかYou TubeとかNewsPicksとか、、、諸々と。
ここまでは賢く切り替えできる人々がうまくやっているんだよなという話ですが、やはり相反する部分があるのは確実で、
・広告モデルを主とすると、広告主に気を使うので自由なコンテンツ制作ができない
・課金モデルを主とすると、toCビジネスとなるので当たり外れが大きくなる
とか、これももっと様々視点によって表現は異なると思いますが、難しいパラドックスを含んでいるよ、という意味に捉えていただければ。。。
でも無理ではないのも事実だと思います。
ただし、課金・広告・EC全部をうまくやっている企業はほとんど無いと言っても良いレベルで無いので、難しさはご理解いただけるのかなと思います。
おしまい
Yahooは3分野ちゃんとやってるじゃん、と思ったあなた。さすがです。
ただまあ、yahooはECはどうでしょうね〜と思いますし決算見に行かない限り広告の会社だと思われているんじゃないですかね〜。
個人的には、難しい、とわかっているのでやってみたい、と思ったりしますよ。つか今取り組んでるか。
ではまたー。