目的と手段と手段の目的化

先日↓の記事で

非常によくある、手段が目的化してしまう問題みたいなことに対して、それはあかんよね。みたいな立ち位置の事を書いたわけです。
ただ、以前からもこの周辺のことについては考えていたし、書いてからまたぐるぐる考えて別な視点を得たので書き留めておきます。

手段の目的化はあかんのか。

記事の途中でも手段を一旦目的化して走るという手法も実際あるよね的な事を書きましたが、そうだとするとFIRE目指すが目的化してもいいんじゃない?ってなりますよね。
これに対する説明が自分の中でまだできてないなあと思ったのか、しばらくこのテーマが頭の中に残っておりました。

で、一旦の僕の結論としては、手段の目的化はOK、ただし上位概念を失念しないことを条件とする。
ってとこで落ち着きました。

つまり例えばこうです。

  • 当社の事業目的はIT技術の活用による社会の進歩への貢献である。
  • そのためのIT技術及びサービスは云々である。
  • この技術やサービスを維持発展し、拡販浸透させるためには多数の人材の有機的組織化とそれを支える資金が必要である。
  • そのため、当社はIPOを行い最大XXX億円の資金を市場から調達する事を今後3年間の最大の目的とする。

上位目的である事業の維持発展による社会貢献を実現するため、下位概念ではあるが目的となりうる粒度や難易度の通過点を一旦目的と定めて組織や各人をモチベートし前進させる、というようなことですね。

手段の目的化を否定してしまうと、これすら否定してしまうことになるのでどうしたものなのかなあと思ってぐるぐるしておりました。
が、これにて僕の中では本件議論は終了です。

手段の目的化の効用

手段の目的化の使い勝手が良いシーンは数多ありますが、ざっくりいうと、目的って突き詰めていくとだいたい大きすぎるから人間の精神構造上最大目的に向かっていこうとしてもどうもモチベーションが保たない。
ので、手段を目的化する効用としては、目的を手近に一回おいて、そこまではいけるようにする、みたいなことなのかなと思いました。

先程は企業をサンプルとしたのでイメージしやすいよう個人サンプルで考えると、、、

  • 大目的=80歳になっても人に迷惑をかけない程度の健康を維持し、安らかに世を去る
  • 直近は体重-3kg、体脂肪率-2%を目的とする
  • 色々方法はあるけど一旦毎日15分運動を目的化する
  • 習慣化によって直近の目標に近づく
  • 大目的の達成に近づく

みたいなことです。

前の章でかいた会社の社会貢献でいうと

  • 思い描いている社会貢献に必要な資金は100億円/年である
  • 現在の年商は10億円、営業利益は5,000万円であるから不足である
  • 必要資金を確保創出する方法は、売上向上、利益率向上、外部資金調達と様々ある
  • 今回は中でも一番ジャンプアップできる手法であるIPOを目的と定め行動すると決める

こんな感じ?

年商10億の会社でキャッシュフロー領域で100億とかの桁を想定したプランを社員に伝えても「何いってんの??」ってなりますよね。
なので、みんなが目指しやすいいい感じの山を登るぞっていうマネジメントを一旦間に挟むのが有効なんではないかなと。
そう思いました。

おしまい

これねえ、考えれば考えるほど深い問題なんですよね。
手段が目的になってる事自体の批判をやり始めると生きてる事自体否定されちゃうんじゃないかなあとか。
そもそも我々の存在自体上位概念からしたら目的では無いよねとかね。。

あと、この問題に対して考え続けると、車輪の再発明をしてしまうんじゃないかなとかも思い始めてます。
いい本があったりするかもしれないし、古典レベルの書籍にこの件に対する答えはすでに出てるんじゃないか説。。

読書にでも励もう。

ではまたー。

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